紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所
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 「害虫防除の常識」         (目次へ)

2.有害生物(害虫)管理にあたって守るべき事柄                    

  2) 農薬使用者にかかわる農薬取締法の内容

 (1)水質汚濁性農薬

 農薬取締法では、水質汚濁性農薬として下記の農薬を指定している。これらの農薬をみると、ロテノンを除いて、いずれも有効成分に塩素(クロル)を含んだ有機塩素剤である。有機塩素剤は、環境中に残留しやすく、生物に取り込まれて生物濃縮を起こしやすい性質がある。また、ロテノンは、マメ科植物であるデリスの根部に含まれる天然毒の主成分であり、魚毒性が高い。

 公共用水域に流入する河川の集水区域での水質汚濁性農薬の使用が規制されている場合がある。この場合に、表7の水質汚濁性農薬を使用しようとする場合には、許可を得なければならない。ただし、このうち、エンドリン、PCPは、表8に示した「販売禁止農薬」に指定されているので、使用することはできない。農薬の種類は多いので、河川、湖沼、用排水などへの流出(降雨による流出も含め)が考えられる場所では、水質汚濁性農薬の使用は避け、他の農薬を用いるようにする。

 表7 水質汚濁性農薬一覧 (農薬取締法施行令により指定)

用途               有効成分名 別名
殺虫剤 オクタクロルテトラヒドロメタノフタラン テロドリン
殺虫剤 ヘキサクロルエポキシオクタヒドロエンドエンドジメタノナフタリン エンドリン
殺虫剤 ヘキサクロルヘキサヒドロメタノベンゾジオキサチエピンオキサイド ベンゾエピン
殺虫剤 ロテノン ロテノン
(デリス)
除草剤 ペンタクロルフェノール(又はそのナトリウム塩もしくはカルシウム塩) PCP
除草剤 2-クロロ-4・6-ビス(エチルアミノ)-s-トリアジン シマジン

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